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【Power of Fashion - Vol.1 NPO法人DEAR ME編】 フィリピンの子どもたちにファッションで夢と自信を。≪前編≫

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「ファッションのチカラを人・社会・環境のチカラに」をテーマとした【Power of Fashion】の新連載をスタートします! この連載では、ファッションのチカラで社会・環境課題を解決したり、人をエンパワーしたりするエピソードを発信。Vol.1はリシュトモで、NPO法人DEAR MEを運営されているMOEさんが、フィリピンの貧困問題の現状や現地の子どもたちをファッションでエンパワーするエピソードをお届けします。

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ランウェイの上で夢を描く、フィリピンの子どもたちのファッションショー

 

2020年2月8日、フィリピンの首都マニラ市内のショッピングモールで、アップテンポの音楽が鳴り響き、スポットライトに照らされたランウェイをきらめく笑顔で歩く子どもたちの姿が、観客を魅了していました。モデルとしてランウェイを歩いた子どもは35名。少し照れながらも満面の笑みで歩く子や、自信満々に自分を表現する子などそれぞれにショーを楽しみながら、どの子もまっすぐ前を向いてランウェイの上を一歩ずつ堂々と歩きます。そんな彼らには自信が満ち溢れていました。

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2020年開催のDEAR MEファッションショーの様子

このファッションショーを開催したのが、私が所属するNPO法人DEAR ME(以下、DEAR ME)。2015年にフィリピンの大学の講堂にて、参加モデル15名から始まったファッションショーは年々レベルアップし、2020年には7回目を開催することができました。

DEAR MEは、なぜフィリピンでファッションショーを開催してきたのか、モデルとなっている子たちは普段どのような生活をしているのか。どのようにしてモデルに選ばれたのか、そして私たちがフィリピンでのファッションショーを通して感じたファッションのチカラとは?今回の【Power of Fashion】の連載にて、みなさんにお伝えしていきたいと思います。

 

モデルの子どもたちの素顔とは?〜フィリピンのリアル〜

 

私たちDEAR MEは2015年より、フィリピンで現地の子どもたちがモデルとなるファッションショーを計7回開催してきました。モデルの子どもたちは、いつもランウェイの上で輝く笑顔を見せてくれます。しかし、彼らの実際の生活はきらびやかなランウェイからはほど遠い世界にあります。貧富の格差が大きいフィリピンでは、貧困層または最貧困層と呼ばれる子どもたちの生活水準はそれぞれに違い生活環境も様々。パヤタスというかつてゴミを集積していた場所で家族と暮らしたり、バゴンシーランというマーケット地区やマニラ都心部で物売りをしたり、保護を受けたりしながら路上で生活をするなど、子どもたちのリアルな日常はファッションを自由に楽しむことからはかけ離れているのです。子どもたちは家族や仲間とタバコや野菜を売り、路上で寝泊まりする生活をしています。その他にも、家族が狭い家で身を寄せ合い暮らし、フィリピンの平均収入の3分の1に満たない1日約400円以下での生活を強いられています。

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フィリピンのスラムの様子

DEAR MEファッションショーのモデルの子どもたちは皆、過酷な環境下に置かれ、現地のNGO団体の支援を受けながら暮らしています。このような境遇を日本で生まれ育った私たちには、なかなか想像することができません。私たちも実際にフィリピンで彼らに出会うまでは、遠い国のテレビの中の世界の出来事でした。しかし、これはリアルな生活であって、子どもたちはこの環境下で日々暮らしています。

 

そんな過酷な環境下にいる子どもたちの暮らしは、物質的には決して豊かとはいえませんが、彼らと触れ合う度に想像もしなかった心の豊かさを感じることがあります。「彼らの笑顔はなんて素敵なのだろう。」「なぜこんなにも温かく私たちを迎えてくれるんだろう。」人々に優しさや笑顔、元気を惜しみなく与える子どもたちに胸がじんわりと熱くなります。

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フィリピンの子どもたち

どんな環境下でもひた向きに生きる子どもたちが、生まれた環境が理由で自分たちの「好き」を見つけることができない。自分たちの夢を見ることができない。夢に向かって努力することができない。世界がどれだけ不公平なのかを突き付けられているようで、やるせない気持ちでいっぱいになりました。子どもたちに夢を与えられる環境や、好きなことを見つけられるきっかけを作りたい! そのように私たちは、子どもたちの為に世界を変えたいと強く突き動かされました。

 

ファッションを通して持続可能な社会に貢献するDEAR ME発足!
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DEAR ME OFFICIAL

DEAR MEの創立者で代表である、西側愛弓がそういった環境下の子どもたちをモデルとしたファッションショーを、初めてフィリピンで開催したのは2015年のことでした。ファッションショーのテーマは「Draw your dream on the runway〜ランウェイの上で夢を描く〜」。どんな環境に生まれても、自分の人生の主人公は自分であるということを忘れないで欲しい。ランウェイを前を向いて歩くように、人生も前を向いて歩いていって欲しい。そんな想いを込めたファッションショーです。

 

初めてのファッションショーを、西側はこう振り返ります。「子どもたちの緊張と高揚感、会場の熱量が忘れられないです。衣装を纏い、音楽に合わせて堂々とランウェイを歩く姿に感動しました。ショー終了後、「Thank you Ayumi!」と子どもたち全員が走って駆け寄ってくれて、「次はいつ?」と聞かれた時に、続けていこうと思いました。」こうして、DEAR MEは5年間で合計7回のファッションショーを行ってきました。

 

次回は、DEAR MEファッションショーに出演した現地の子どもたちのリアルボイスを交えながら、活動を通して感じた「私たちなりの社会貢献のしかた」についてお伝えします!

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TEXT: MOE EDIT: Hiroco Ryugo, Asuka Cali, Marie Yamamoto PHOTO: NPO法人DEAR ME